原子と放射線   - 原子の仕組み -

 

原子

 

 原子は太陽系に似ていて、中心にまるで太陽のように重い原子核があり、周りに惑星のように軽いマイナスの電気を持った電子があります。原子核はプラスの電気を持つ陽子という粒子の集まりです。陽子の数によって原子の種類が決まっています。陽子1個でできているのが水素、陽子2個はヘリウム、そして陽子92個がウラニウムです。

 

原子核

 

 陽子はプラスの電気を持っていて、互いに反発しあうためにそれらを集めて原子核を作るには別のもっと強い力が必要です。その力を出すのが力持ちの中性子です。中性子はすごい力で反発する陽子どうしを無理やり集めることができます。ヘリウムの原子核は陽子2個と中性子2個でできています。陽子と中性子はとても重くて、どちらも電子の2000倍ほどの重さがあります。

 

放射性物質

 

 同じ種類の原子でも、中性子の数は多いものや少ないもののあります。これらを同位元素(アイソトープ)といいます。同位元素の中で原子核が不安定で壊れやすい原子があります。これを放射性同位元素(ラジオアイソトープ)と呼び、一般には放射性物質と呼ばれています。しかし、地球の長い歴史の中で不安定な原子の多くはすでに壊れてしまっているため、自然界には放射性物質は少ししかありません。それらが出す放射線も量が少ないので健康に影響がありません。放射線が危険なのではなく放射線を多く浴びことが危険なのです。

 

プルトニウムとアルファ線

 

 原発で作られるプルトニウムという原子からは中性子2個と陽子2個がくっついている塊が高速で飛び出してきます。これはアルファ線と呼ばれる放射線です。アルファ線は電子の2000倍もある粒子4個分の重さがあるので、体に当たると最も大きな影響を与えます。

 

ウランと中性子線

 

 普通のウランは陽子92個、中性子146個の合計238個でできていて、これはウラン238といって、とても安定した原子です。しかし、中性子が3個少ないウラン235がわずかながらあって、この原子は力持ちの中性子が少ないので少し不安定です。それでも半減期7億年なので簡単には分裂はしません。しかし原発ではこれを濃縮して使うので分裂しやすくなります。ウラン235が原子炉の中で分裂すると、様々な不安定な原子である放射性物質が生成されます。この時に勢いで高速の中性子が平均2個くらい飛び出します。これが中性子線と呼ばれる放射線で、電子の2000倍の重さの弾丸です。

 

ヨウ素・セシウムとベータ線・ガンマ線

 

 身近なヨウ素の原子核は陽子53個、中性子74個の合計127でヨウ素127と呼びますが、放射性ヨウ素は中性子が4個多くてヨウ素131と呼びます。これは原子炉でウラニウムが分裂するときに生成されます。ヨウ素131では余分な中性子が不安定になり、半減期8日で1つの中性子が内部から電子を放出して陽子に変化します。その結果、中性子が1つ減って陽子が1つ増えて、キセノンという原子に変わります。このとき高速で飛び出してくる電子はベータ線と呼ばれる放射線です。しかしこのセキノンはまだ不安定な状態にあり、その後半減期12日で強力な電磁波を出して安定したセキノン原子になります。この電磁波はガンマ線と呼ばれる放射線です。ベータ線もガンマ線も数が多くなると体に影響を与えます。ベータ線の放射は8日間で半分の原子に起こり、その後12日では半分の原子がガンマ線を出します。これら期間を半減期といいます。

 

 安定なセシウム133より中性子が4個多くて、不安定な放射性セシウム137も原子炉内で生成されます。余分な中性子が不安定になり、1つの中性子が電子を放出して陽子に変化します。その結果バリウムという安全な原子に変わります。飛び出してくる電子がベータ線で、さらにガンマ線も出ます。セシウム137の半減期は30年です。ヨウ素131やセシウム137のように地球の歴史から見て半減期が短い放射性物質はとっくになくなっているので、自然界には存在しません。

 

X線

 

 高速の電子が他の物質にぶつかる時にX線という電磁波が出ます。X線はレントゲンでも使われています。X線とガンマ線は同じものですが出方が違うだけです。

 

放射線の種類とその時に何が飛んでいるかのまとめ

 

  中性子線 : 高速で飛ぶ 中性子

  アルファ線: 高速で飛ぶ 陽子2個と中性子2個の塊

  ベータ線 : 高速で飛ぶ 電子

  ガンマ線 : 強力な 電磁波(放射性物質から出る)

  X線   : 強力な 電磁波(電子をぶつけて出す)

 

                            2010.4.19